「どんな場所で着たい?から始まる魔法。1着ができるまでの舞台裏」
お客様の事例を加えながら、お話ししていきますね!
① どんな場所で着たい?から始まっている
オーダーメイドの服づくりは、最初の一言から始まります。
「どんなシーンで着たいですか?」
「どんな自分でありたいですか?」
結婚式のスピーチ、ビジネスの舞台、大切な人との記念日…。
シーンを思い描くだけで、その人の表情や声のトーンが変わるんです。
実はこの瞬間から、もう“魔法”は始まっています。
あるお客様は、ジャズシンガーの方。
今度、自分のバースディ会で歌うときに着るドレスを作りたい!
そんなお題をいただきました。
② デザインで輪郭を描く
シチュエイションが決まると、次はデザイン。
「ここは動きやすく」「ここはエレガントに」『○○のイメージで!』
例えば、オードリーヘップバーンみたいなイメージがいい!など、
特定のイメージ画像から作っていくことが多いです。
ここでの対話がとても大事。
細部まで調整していく過程は、まるでお客様の“らしさ”の輪郭を描いていくような作業です。
だんだんと「こうなりたい私」が輪郭を持ち始めます。

お客様と私で対話をしながら、私の思うイメージを提案してみました。
その対話の中から、『クレオパトラ』というキーワードが出てきて。
そのキーワードでいこう!!と合致し、デザインの大まかなイメージが出来上がりました。
③ 生地選びという未来の選択
テーブルに並べられた色とりどりの生地。
触れるとひんやりしたもの、柔らかく包み込むもの、
光にかざすと輝きを増すもの。
その中から、デザインに最適なドレープ感や張り、厚みや薄さ、光沢感かマットな感じか。
ストレッチ性は必要?色はどうする?などどんどん突き詰めていきます。
纏う素材で印象は変わっていくので、とても大切な工程です。
素材選びで、全てが決まるくらいに大事です。
④ 採寸と仮縫い、形が生まれるワクワク
生地が決まり、デザインも整ったら、いよいよ身体に寄り添わせる工程へ。
採寸した情報を元に、パターン作成をします。
そして数週間後、仮縫いの服に袖を通す。
まだ仕上げ前の白いシーチング生地。
だけどその形は確かに「あなただけのための服」になっています。
「ここを少し詰めましょうか」
「丈をもう少し短くすると軽やかになりますよ」
鏡をのぞきながら小さな調整を重ねるたび、
ただの布が“あなたにしか似合わない服”へと育っていきます。


柄の部分は本番と同じ生地で作りました。
ウエストの切り替え位置を上に上げる修正と身幅修正をしました。
また、後日に背中のデザインがどっちがいいかを写真で見てもらいました。



⑤ 袖を通した瞬間の魔法
完成したお洋服に袖を通してもらった瞬間の
お客様の笑顔!!これが最高に嬉しいです。
その服は、ただの洋服ではなく、これからのあなたを導いてくれる相棒。
見慣れた自分とは少し違うように見えるかもしれません。
そして、もう一つ私が嬉しいことがあります。
それは、着用していたあなたに沢山の方が声をかけに来る、ということです。
ほとんどの方から、『素敵ですね!』と声をかけてもらったと言ってもらえます。
その報告がまたさらに嬉しいのです。
ほんとの任務完了!!の時です。



⑥ 作り手としての想い
服づくりは、ただ布を縫い合わせることではありません。
お客様の未来を一緒に描き、その姿を形にしていくこと。
「どんな場所で着たい?」という問いかけは、
その方の物語を始める合図です。
袖を通した瞬間に浮かぶ笑顔や、背筋が伸びる姿を見るたび、
私自身も魔法をかけられたように感じます。
だからこそ、これからも。
一人ひとりの「物語」を紡ぐ1着を届けていきたいです。

実際のライブもお邪魔させてもらいました!
皆様から、素敵!!とたくさん言ってもらえて嬉しかったです。
素敵なバースディパーティを多くの方の印象に残すことができたのが何よりです。

このお役目をいただけて本当に幸せです。
ありがとうございました!!