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シルク100%、大島紬のドラマ

##フルオーダー##大島紬の歴史##大島紬アレンジ##大嶋紬##絣糸

つい先日、大島紬の反物を使ってコートとブラウスを作るお仕事をいただきました。
それで大島紬について調べてみたら、その歴史と織り方にびっくりしたので、大島紬について調べたことをシェアしたいと思います!

「大島紬(おおしまつむぎ)」は、日本を代表する絹織物のひとつで、奄美大島を中心に作られてきた伝統工芸品です。世界3大織物と言われるうちの一つ!!
ちなみに世界三大織物は、フランスのゴブラン織、イランのペルシャ絨毯、そして日本の大島紬と言われています。

歴史としては約1300年前から作られていたとのこと。
年号で言うと西暦725年ごろ、奈良時代(710年〜794年)から作られていたのです。
すごい歴史ですねー!

江戸時代には薩摩藩に年貢として納める特産品だったとのこと。
明治時代に入ってから、化学染料や新しい絣技法が導入されて多彩な柄が生まれました。
現在も鹿児島県の奄美大島、鹿児島市、宮崎県都城などで生産されています。

それぞれの産地で作られたものに、本物である証の証紙が付けられます。
上の写真のは旗印だから、鹿児島県産です。

水色台紙 = 手織り、オレンジ台紙 = 縞大島(機械織り)という解説あり。

本場奄美大島で作られたものは、地球儀印。


宮崎県都城産には鶴印が付けられています。

高級織物なだけに、偽物も出回っているようで、その未分け方もいくつか紹介しますね。

🧵 本場大島紬と類似品の違い

✅ 【本場大島紬】とは

以下の条件を満たすものだけが「本場大島紬」と名乗れます。

  1. 本場大島紬織物協同組合に所属する組合員の製品
  2. 奄美大島・鹿児島・宮崎県都城など指定地域で生産
  3. 泥染め・絣締めなど伝統技法を使っていること
  4. 検査合格済みの証紙(旗印・地球印・鶴印)付き

この証紙が貼られていないものは、大島紬風ってことです。
本場以外のところでも作られることはあるらしいのですが、本場の証明証紙が貼られていないのですね。ただ、証紙の偽物もあるかもしれないので要注意。



🔍 本物を見分けるポイント
証紙を確認
 → 「旗印」「地球印」「鶴印」のいずれかのマークが必ず貼られています。
織り目を透かして見る
 → 手織りのため、裏表が同じ模様になっています。印刷ではありません。
泥染めの深み
 → 光の角度で黒や茶、赤みが微妙に変化します。人工染料では出せない陰影です。
販売店の信頼性
 → 組合加盟店、または伝統工芸士が関わる店舗で購入するのが確実です。

泥染めの深みって、現代人でもわかるのかな・・・
人工染料では出せない深み、見て観察して研究してみます!

織物の証明についてはだいぶわかってきたところですが、
私が真に驚いたのは、制作工程です。

大島紬は、「泥染め」と「絣(かすり)」の技法が特徴であり、伝統工芸である所以です。
完成までに 半年〜1年以上 かかることもあります。


一度、綿糸などで織ってから、柄の位置、配置を決めて、実際に仮の色付けした後にその織ったものを解いて、糸の段階で色の染め分け部分を調べ、実際の絹糸でその染め分けをする。
染めたくない場所、染める場所をくくって、色分けしていく。
びっくりじゃないですか?
そんなに手間のかかることをしていたのかと、驚きました。

多色に染められた糸をかすり糸といい、

糸を締機(しめばた)にかけ、柄の部分を締め糸でくくり、
染料が入らないようにしてから染めます。
この工程を何度も繰り返して多色の絣糸を作ります。

そして泥染めをしてあることも大島紬の特徴。

奄美の泥田で行う伝統的な染色法。
まずテーチ木(シャリンバイ)という木の煎汁で染め、
次に泥田
に浸けて化学反応で黒褐色に。
この工程により、独特の光沢・深みのある黒色が生まれます。

そして織りに入ります。

絣糸を設計通りに正確に織り合わせて柄を出す
ほんの1本ずれるだけで柄が崩れてしまうほど繊細。
「手機(てばた)」で織る場合、1反(約12m)に数ヶ月かかることもあります。

仕上げに、蒸して糊を落とし、湯のし・検品などを経て完成。
この工程を経て、軽くてしなやか、そして独特のツヤをもつ反物になります。

なるほど〜〜
っていうか、ほんとに手間かかりすぎて驚く。
一本ずれるだけで柄が崩れてしまうものを正確に作り上げる技。
やっぱり日本人ってすごいと思います。
最近、日本の歴史にも興味津々です。
日本人のアイデンティティー。
受け継がれてきたもの、、、もっとそれを知りたいと思ったし、広めていく価値のあることだと心底思いました。

そこで、現代の反物がどのくらいの価格でやり取りされているのか調べていたら
『マルキ』という言葉に出会いました。

「マルキ(丸木)」は、大島紬を語るうえでとても重要な専門用語。
マルキを知ることで、品質・価値・価格の違いがぐっと分かりやすくなるらしいので調べました。

【まず、「マルキ」とは?】

マルキ=絣(かすり)模様の細かさを表す単位です。
つまり、マルキの数が多いほど「模様が細かく、織りが精密」であり、
それだけ高度な技術と時間が必要になります。

等級(マルキ数)絣の細かさ・技術度制作期間の目安特徴
3マルキ粗めの絣。昔ながらの素朴な風合い約2〜3ヶ月比較的シンプルで軽い印象。普段着用にも向く
5マルキ標準的。繊細な模様が出る約4〜6ヶ月現在もっとも多い等級。柄の表現力と軽さのバランスが良い
7マルキ高級品。非常に細かい絣合わせ約6〜8ヶ月柄がまるでプリントのように滑らかに見える
9マルキ以上(12マルキなど)超高級品。職人でも限られた人しか織れない1年以上絵画的な織り。展示会・受注生産限定レベル

「マルキ」は、経糸と緯糸の交点にどれだけ細かく絣を配置しているか、
つまり設計図(図案)をどれだけ繊細に織りで再現しているかを示しています。

💡補足:「マルキ」の語源
「丸木(まるき)」は、もともと絣の“くくり数”を指す言葉でした。
昔の織物職人が、絣糸を木に巻きつけて数を数えたことに由来しています。
つまり、糸の設計図の緻密さそのものが「マルキ」の正体だったんですね〜。

柄については、調べたらキリがないほどに色々ありそうなので、
一旦ここまでにしておきます〜

この柄もシンプルだけど素敵〜
後日、この反物でコート作成のこともアップしたいと思います。
生地幅35センチでコート作るってなかなかの計算が必要です。

ここまでみてくれてありがとうございました!

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